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エンジンオーバーホール作業、コンプリートエンジン製作工程、ハーネス製作、ECUセッティング、ダイノジェット製シャーシダイナモを使用してのパワーチェックなど日々の作業内容をご紹介していくブログです。

モータースポーツ配線のあれこれ 自動車配線入門パート4 「ハンダを使うな!!」の巻き

配線好きが増える事を願ってEFIがお送りする「モータースポーツ配線のあれこれ」四回目の今回は「自動車配線の禁忌」の一つを書いてみます。

モータースポーツ配線は当たり前として自動車配線において、してはいけない事、推奨されない技術、等ありますが、一番誤解されているのは「半田」だと思います

          「No Solder! 半田を使うな!」

自動車配線において世界中のECUメーカー等が「電線と電線の接合に半田は適していない」といった警告や注意をしている事に対し、世界中の車関係メディアが「しっかりと半田付」を推奨するという面白い現象がなぜ起こったのかはわかりませんが、自動車配線においては「電気的に正しい」「抵抗が少ない」と言う事だけがその技術を使う理由にはなりません。

半田は古くからある電気的に優れた電線接合方法な事に間違いはありませんが結局の所、自動車配線の構築には不向きです。

ECU等の基盤においても半田浮きや半田割れ等で不具合があるように、半田は圧着に対して圧倒的に振動に弱いです。

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電線同士の場合、半田接続部で割れた物を多くみますが、それ以外にも配線を熱し、半田付をすると配線は半田を吸ってしまい、半田を吸った電線部と吸っていない部分の境界線にストレスが集中し破断する可能性があります。

きちんと専用の収縮チューブ等で処理すれば問題ないのですが、どれだけの長さ配線が半田を吸ったか分からない為チューブで処理する部分が曖昧になります。

なんらかの理由で半田を使う場合は半田スリーブを使用します。

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溶け込む半田量が一定なのと同時に収縮させる為、弱くなる箇所をズレる事なくスリーブで保護できます。(画像の物はシールドケーブルに使用するもので少し特殊ですが)

 

一部半田を推奨する国内メーカーもありますが理由として恐らく自動車用カプラーの普及率が低い日本において、「エレクトロタップやギボシを使われるよりは半田の方が少なくても色々マシ!」だからだと思います。。。多分。。。。

モータースポーツ配線だけではなく純正配線も半田は基本的には使用していません。

一部特殊なコネクターや、ワンタッチハーネスのECUヘッダー等、端子と電線を半田付する場合はレイケムSCLの様なのチューブと専用のエポキシ等を流し込む事で弱くなる箇所をフォローします。

 

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ただ一般修理や一部のお店で電線同士の接続方法として半田を取り入れていて「半田付で全然問題ないよ!」とか「問題が起きた事がない」って言われる所も多いと思います。

それに付いては次回「配線構築の電線接続」で書きたいと思います(__)