EFI-Techno × LOG

エンジンオーバーホール作業、コンプリートエンジン製作工程、ハーネス製作、ECUセッティング、ダイノジェット製シャーシダイナモを使用してのパワーチェックなど日々の作業内容をご紹介していくブログです。

FD3Sブーストアップ パワーFCでロータリーdynoセッティング

アペックスのパワーFCは現在でも新品で買える国産フルコンピューターです。他のプラグインECUとは違い内部パラメータ類も車種別で設定されている珍しい製品です。

FDとの相性も良くライトチューン~サイドポート辺りまでならばEFIでも選択肢の一つとして提案させて頂いています。

 

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今回は書き替えノーマルECUからパワーFCへの変更とDYNOセッティングを承りました。

安価で優秀なECUですが、若干車を選ぶ?面もあり、バルブポジョンやPIDパラメーターが触れない為始動、アイドル制御面に懐深さがありません。

ノーマルECUで問題なくアイドリングしていた車がパワーFCになるとハンチングが止まらなくなる場合もあります。

学習付のクローズドループですが、ゲイン制御面に余裕が無くアイドルエアの入り方がパワーFCの想定を外れるとECU側の設定で抑える事が難しいくなります。

今回もノーマルECUでは特に問題のなかったアイドリングが、P-FCに交換で盛大なハンチングが始まりました。

 

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パーツクリナーを片手にエアを吸っている所を探します。何となく怪しかったアイドルバルブのフランジを面出しして再度アイドル状態を確かめますが少し良くなった?程度で完治には遠いです。

インマニ下のホースがシリコンに代わっていたのでパーツクリーナーを根元に噴射して回転変化の出るホースをタイラップで締めあげ、10本程処理するとハンチングが収まったのでOKとしました。しっかり刺さっていてもシリコン素材にも相性があるのか未処理だと多く吸い込むホースもありました。

 

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完治後DYNOに車両をセットしてチューニング開始です。

仕様はフル吸排気のブーストアップ、ロータリーはハードノッキング一秒程で簡単にブローするので直ぐにアクセルを抜ける様右足を意識しながら回転を上げていきます。ブースト1Kでノーマルインジェクターは100%噴射に、燃料補正に余裕を持たせる為ブーストを少し抑えたかったのですが、抜けが良いからか、高回転では1k以下になりませんでした。街乗りでは問題無いと思いますがサーキット等で連続走行する場合にはポンプの交換が必要そうです。

 

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結果は320馬力程と結構出た感じで終了です。

パワーFCでのブースト制御だったので仕様的には少し辛い感じです。ホイールバランスが悪いのかそこそこな振動があり、パワーグラフの見栄えが悪いのはそれも原因の一つかなと思います。