32 33 34 GTR共通 RB26DETT タイミイングベルト交換時の注意事項。
調度良い画像がなかったので年明け行ったカム交換時のタイミングベルト取り付け作業の画像を流用です。
34GTRでさえ販売終了から15年を過ぎ、多くのRB26がタイミングベルトの交換を行っていると思います。
さて最初の画像はRB26のタイミングベルト交換時の2大イベントの一つクランクプーリーボルトの締め付け風景です(もう一個のイベントはクランクプーリーボルトを緩める時です)
行きつけのお店で観たことあるって方もいるかもしれません。
RB26のプーリーボルトは直列6気筒の長いクランクシャフトの振動を抑える為の重いクランクダンパープーリを高回転まで支える役目を持つため、乗用車としては異常に強いトルクで締め付けなければいけません。
通常良く使われる1/2のトルクレンチのトルク範囲は最大20k程ですがRB26の場合50k程での締め付けが必要な為ほぼ専用と言っても良い巨大なトルクレンチが必要です。
締め付けが弱いとプーリー当たり面が浮く事になりクランクのねじれ振動を抑えるダンパーの役割が果たせずコンロッドメタルを痛める事になります。10万キロそこそこのノーマルエンジンがメタルを叩く原因の一つにはベルト交換時の弱すぎる締め付けトルクもあると思います。
ベルト交換してあるRB26の場合、きちんとした締め付けトルクでプーリーボルトが締まっている事は少なく多くの場合はかなり緩いです。きちんと測ってはいませんが30k未満に感じるエンジンが多いです。
恐らく適当なインパクトレンチで締めているのかなと予想しますがインパクトレンチではトルク管理ができません。
作業効率の問題なのか、経費節約の為か、日産ディーラでさえ専用のトルクレンチを持っていない所があると言う事をお客様から聞いた事もあります。
締め付けが弱くてもいきなりトラブルになる事はないですが、ジワジワダメージを与えるのは構造的に見ても明白です。
RB26の場合ちゃんとタイミングベルトを交換しようとすると、専用の工具でクランクをロックして締め緩めが必要な為、お店に交換方法を確認してから依頼を行えば無用なトラブルは避けられると思います。
ベルトの強化やアイドラーボルトなど部品の事に捕らわれがちになりますが、きちんとした作業を行わなければ交換する意味が無くなる場合もあるので注意が必要です。
画像で短いのがホイールなどを締める時に使う1/2トルクレンチ、巨大な方はRBのクランクやロータリーエンジンに使う3/4のトルクレンチになります。
メタル保護の為のATI等のダンパープーリーをインパクトレンチで締めるような行為は質の悪いジョークなのでその場にいた場合はツッコミが必要だと思います。