EFI-Techno × LOG

エンジンオーバーホール作業、コンプリートエンジン製作工程、ハーネス製作、ECUセッティング、ダイノジェット製シャーシダイナモを使用してのパワーチェックなど日々の作業内容をご紹介していくブログです。

モータースポーツ配線のあれこれ 自動車配線入門

オンラインストアも出来たので宣伝も兼ねてたまには自動車配線の事について書こうかと思います。何時も画像出して書いてるじゃんって思われるかもですが、上辺の事じゃなく深い事は面倒で書いた事が無いんですねー。。。

モータースポーツ、自動車配線について書きだすと途方もない文字数になるので人気があればシリーズ化を考をたくらんだり……需要があるのかわかりませんが。。

前に書いた気もしますがモータースポーツハーネスと言うのはUSMILハーネス構築方法から派生、発達した物です。ミルスペックハーネスに対抗してレーススペックハーネスとか言ったりもします。

モータースポーツにこの技術が使われ始めたはっきりとした時期は知りませんが、TAGエンジンのF1マクラーレンではしっかり確認出来るので1980年代にEFIへの移行と共に必要に迫られ始まったんじゃないかなと予想しています(ecuにmilコネクターが使われて居た為)åçã®èª¬æã¯ããã¾ãããåçã®èª¬æã¯ããã¾ããã

多くの方が疑問に思うのはたぶん「それ必要なの?」って事じゃないかなと予想するんですが、モータースポーツ配線の必要性を理解するにはまず純正配線がどーゆ物かってのを知らなきゃいけません。

ここ30年程の国産車基準での話になりますが実際純正配線は使い方を間違わなければ極めて優秀な製品なのは多くのエンジニアが認める所です。10年10万キロを超えても殆どは使用出来ますし、使い方を間違わなければさらに延命もできます。安価な材料で作られたそれは交換時も価格的にも魅力的です。

では何が不都合で多くのレース車両やカスタムカーが純正配線を捨て全然違う材料や技術で新たにハーネス構築するのか?

少し大げさに表現すれば純正配線は「外す事をほぼ前提としていない」ここが大きく違います。「でもカプラーだし外れるよって!」言われそうですがカプラーなのは車両組み立てに調度良いからです。部品交換の事も少しは考えているとは思いますが…

実際純正配線で使われるコネクターの脱着許容回数は5~10回程度です。それを少し超えても信号の劣化などは無いですが、そもそも定期的に例えばプラグ点検の為にコイルハーネスを外す様な事は考えてないません。RB、SR、JZエンジン等コイルハーネスにトラブルを抱えるエンジンが多いですが、想定した使い方が違うので当たり前の話です(推奨プラグ交換は10万キロ毎が多い)熱により砕けるカプラーも多いですが初めから配線に触らなければずっと長持ちします。

DTMネクター等を触れば直ぐに理解できますが、脱着を前提としたコネクターは、外す事と繋ぐ事の苦労に違いはありません。よくある「このコネクター硬くて外れない」ってのは付ける事に対して外す事を重要視していないからです。åçã®èª¬æã¯ããã¾ããã

多くのモータースポーツでコイル等純正部品が使われていますが、殆どの場合フライングリードでコイルから配線を出し別のコネクターを付けるか、コイルコネクターを外さなくてもコイルパックが外せるように別のコネクターを装備しています。åçã®èª¬æã¯ããã¾ããã

コルゲルト、ビニル電線、ビニテを使いA-B間を編む事無くストレートに構築されたハーネスは装着後曲げる事を想定していない為エンジン脱着時やメンテナンス時に防護被覆をパキパキ破壊しながら外れる事も珍しくありませんし、配線束内部に曲がる余裕がない為、カプラー末端に力が掛かり端子抜けや配線切れを起こす事もあります。

多くの配線トラブルは触っちゃダメな配線を触る事で起きています。
1本配線が抜けただけでエンジンが掛からなかったり、一気筒死んだり、吹けなかったり、エンストしたり走行に致命的なトラブルの多くは配線絡みで起きますが場当たり的な修理で済まされる事が多い部品です。

これを脱着可能で振動、曲がり、引っ張り、熱変動に強くする事でトラブルを防ぐのがモータースポーツハーネスの役割です。ç»åã«å«ã¾ãã¦ããå¯è½æ§ããããã®:1人以ä¸

割れないエキマニや滑らないクラッチ並に実は重要な部品なんです。

次回「ハーネス制作時のセオリーとは?カッコいい配線とダサい配線の見分け方!配線屋はイベント車両で配線をどう見る?」の三本立てを掲載!!するかもしれません(__)